● リタイア後の人生が楽しめる定住型施設を(沖縄県名護市)

 「最後の楽園」といわれる名護市のカヌチャ浜。白石武治さんはこの地で、ホテルやゴルフ場などの総合リゾート施設を経営するかたわら、「第三のふるさと」と名付けた、高齢者が安心して過ごせる定住型リゾートの開発を進めています。
 白石さんが、「第三のふるさと」を構想したきっかけは、今から40年ほども前のこと。子を持つ親となり、自身の将来を見据えたとき、リタイア後の高齢者が豊かな自然の中で、動物などを飼い、子供や孫たちがいつ来ても一緒に楽しめる・・・そんなコミュニティがあってもよいのではないか、と考えるようになったといいます。

 転機は、1975年に開かれた沖縄海洋博の開幕でした。観光など手広く事業を営んでいた白石さんは、海洋博閉幕後の深刻な不況に立ち向かうかたちで、沖縄北部の観光開発に本格的に乗り出します。リゾート先進国のヨーロッパを範に、いち早くバリアフリーを取り入れるなど、革新的な経営とサービスを次々と取り入れていきました。

 「第三のふるさと」構想も、その一つです。83万坪の敷地の中にリゾート施設と併設して、約2000戸の高齢者用住宅、その周囲に医療施設やカルチャー施設などを整備していく計画です。「誰が介護されても、誰が介護しても、“共に暮らしあえる日本を創る”というのが“第三のふるさと”の基本理念です」と白石さん。

 「歳をとってからというのではなく、若いうちから何度も遊びに来てカヌチャという場所を好きになっていただきたい。そのようにして幅広い年代の人々が混在し、ふれあうことで、高齢者がいつまでも元気に過ごせる空間を実現したいですね」と語る。

 生まれ故郷でもなく、生活を営んできた土地でもない、自らが好きになって選んだ場所・・・。そんな「第三のふるさと」でリタイア後の「GoodTime」(高齢福祉先進国デンマークで使われている、壮年から老年の世代を指す言葉)を過ごすことも、超高齢化社会の一つの選択肢として定着していくことでしょう。


※ 名護市の様子
 http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/0417k.html